障害福祉は現場とニュースレター
障害福祉サービスの現場は日々忙しく、行政書士が現場にいるスタッフの皆様と直接お話できる機会はあまりありません。
一方で、法的な支援といっても、人員配置基準や設備基準を満たすだけでなく、運営基準を遵守することはもちろん不可欠です。つまり現場を見なければ、法的な支援はできません。また、法定研修の設計、マニュアル類の作成、委員会の運営などにおいても「現場」を知ることはとても重要です。
「法律、政令、省令、ガイドライン、Q&A等に書いてあることを機械的に適用するだけ」といったことに以上に、「現場を知る」ということは法的支援の大きなポイントとなります。
私の場合は、現場を知るために事業所主催のイベントには参加するようにしております。また、そうやって参加したイベントの内容は、毎月発行する保護者向けニュースレターにも掲載しています。
このようにニュースレターの作成は行政書士にとって、「現場を知る」上で、とても貴重な支援業務の一つとなり得ます。
ニュースレターの内容
もちろん、「行政書士が現場を知ること」はニュースレターの本来の目的ではありません。ニュースレターの目的は、障害福祉サービス事業所での日々の活動の内容を、保護者やその他地域社会含めた関係者に「知ってもらうこと」です。
ニュースレターの内容はクライアントごとに異なりますが、私の場合、以下の内容についてはできる限りコンテンツに含ませていただいています。
- 近隣企業等へのインタビュー
- スタッフへのインタビュー
- 研修実施の報告
近隣店舗・企業へのインタビュー
ニュースレターに近隣店舗を紹介することでニュースレターを読んだ人にお役立ち情報を届けることができます。
しかし、近隣店舗・企業へのインタビューを行うことは「お役立ち情報を届ける」以上の意味を持ちます。
地域社会の支持を得ている事業所は、利用者の安全を守る上でも、日々の活動に近隣住民の理解と協力を得る上でもとても重要ですが、地域社会が障害福祉サービス事業所について、どのような考えをいただいているか、ということを知る機会はなかなかありません。
ニュースレターに掲載する記事の取材という形でインタビューをさせていただくことができれば、そのインタビューの機会はお互いを理解しあうための大きなきっかけとなり得ます。
スタッフへのインタビュー
スタッフへのインタビューは行政書士が法定研修以外でスタッフの方々と「現場で」接点を持つ重要な機会となります。保護者向けに配布するニュースレターなので、どのスタッフの方もしっかりとインタビューに対応してくださります。
毎月保護者向けに発行しているニュースレターはスタッフも読んでいます。つまり、スタッフへのインタビュー記事は、他のスタッフも読むことになり、現場で日々感じていることや、これからこんなことに取り組みたいといったインタビュー記事内容は、スタッフ同士に新たな刺激を与えることになります。
研修実施の報告
あるクライアントからのアドバイスで、毎月実施している法定研修の報告をそのクライアントのニュースレターに掲載するようになりました。もともとは、委員会の決定や安全計画に基づいてしっかりと毎回研修を開催していることを保護者の方々に伝えることが目的でしたが、防災、身体拘束、虐待防止などの研修内容を保護者に共有することは、結果として保護者の方々に安心感を持っていただけることにつながっています。
ニュースレターの効用
毎月発行するニュースレターは、短期的には、事業所のことをよく知っていただいたり、イベント等を毎月タイムリーに告知できたりといった点で効果的ですが、長期的にはスタッフのモチベーションの向上や近隣とのコラボレーションの促進という効果があります。
こういった長期的な効果は少なくとも1年くらいはニュースレターの発行を続けないと見えてこないですが、続けていると確実に変化は現れてきます。
スタッフがイキイキと働く職場、地域社会に求められる存在は、どんな企業でも目指すところですが、その実現のためには何をどうすれば良いかわからないという事業所も多いと思います。
その際は、ニュースレターの発行を最低12ヶ月間、続けていただくことをお勧めしています。

