2025年11月、大阪市の福祉関連会社の子会社などが運営する3つの就労継続支援A型事業所が20億円以上の加算金を過大に受け取った疑惑について報道がありました。
この内容を受けて、大阪市では市の全1649事業所に対して加算金に関する実態調査を始めた旨が報道されました。
障害福祉サービスの請求に対する不正については厳しい措置が講じられます。2025年1月には、監査により訓練等給付費の請求に関する不正があったことが判明したとして、大阪市の2つの事業所が指定の取り消しと五千万円超の訓練等給付費の返還が求められた旨大阪市のホームページで公表されています。
奈良県内でも同様に2025年11月に給付費関連のニュースがありました。
<必要な減算を行わなかったことによる過大請求>
就労移行支援の1日の利用者数が受け入れ可能を超過するなどしていたにもかかわらず必要な減算を行わなかったため、計138件の請求で訓練給付費約473万円が過大となり、うち、国負担分約236万円は負担の必要がなかったとの指摘を受けたとのことです。本件に関しては過大分は返還済とのことです。
<研修を受けていないケアマネージャーがサービス計画を作成>
認知症対応型のグループホームを運営する事業者が、所定の研修を受けていないケアマネージャーがサービス計画を作成していたにもかかわらず介護給付費を減算していなかったことが判明し、市が当該事業者に四千万円超の返還を求めて提訴をしたとのことです。本件に関しては事業者は法令に違反していないという見解とのことです。
この奈良県の2つの事例は、事業者自身が不正な請求であることを認識していなかったという点で共通しています。
障害福祉サービスの種類によって必要な人員配置基準や設備基準が異なり、多機能型事業所などの特例もあり、定員に応じて必要な人員が異なり、常勤換算だけでなく専従・専任といった要件もあり、加算や減算も複雑な仕組みになっています。また運営にあたっては安全計画、委員会、研修、訓練、マニュアル等も整備する必要があります。
たとえ素晴らしい理念に基づいて障害福祉サービスを提供していたとしても、基準を満たさないために指定取り消しを受けることもあります。
運営指導や監査を受けた時に「知らなかった」とならないように早い段階で専門家のアドバイスを得ておくことをおすすめします。

